口の中の白い斑点・できもの|痛い口内炎より「痛くないもの」に注意|二宮町の歯科医師が解説
「口内炎ができて、しみて食事がつらい」
「舌の横に白いものがあるけれど、痛くないから放っておいている」
「頬の内側に白い線があるのに気づいた」
口の中のできものというと、多くの方が心配するのは痛いものです。痛ければ気になりますし、早く治したいと思うのは自然なことです。
ところが、歯科医師が注意して見ているのは、むしろ逆です。痛くないもの、そしていつまでも治らないもの。二宮町のはら歯科クリニックでは、定期検診で歯だけでなく、舌や頬の内側などの粘膜も確認しています。
今回は、口の中の白い斑点やできものについて、様子を見てよいものと、受診したほうがよいものの見分け方をお伝えします。
口内炎は「治るもの」です
ふつうの口内炎は、1〜2週間で治る
いちばんよく見られるのは、アフタ性口内炎と呼ばれるものです。
- 丸い、浅いくぼみ
- 表面は白〜黄色っぽい膜でおおわれている
- まわりが赤くふちどられている
- 触れたり、しみたりすると痛い
疲れやストレス、睡眠不足、栄養の偏り、頬を噛んでしまったことなどがきっかけになります。つらいものですが、多くは1〜2週間ほどで自然に治ります。
「治らない口内炎」は、口内炎ではないかもしれない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
口内炎は、治るものです。裏を返せば、2週間たっても治らないものは、ふつうの口内炎ではない可能性があります。
- 2週間以上、同じ場所に残っている
- 大きくなってきている
- 治ったと思ったら、同じ場所にまたできる
こうした場合は、痛みがあってもなくても、一度診せていただくのが安心です。
「痛くない白いもの」ほど注意したい理由
痛みは、気づくきっかけにすぎない
痛みがあると、人は気づきます。気づけば、様子を見たり、受診したりできます。
困るのは、痛みがないものです。痛くないので気づかない、気づいても「痛くないから大丈夫」と思ってしまう。その間も、変化は静かに進んでいることがあります。
こすっても取れない白い斑点
注意したいもののひとつに、白板症(はくばんしょう)があります。
- 粘膜の一部が、白く板のようになっている
- こすっても取れない
- 痛みはないことが多い
- 舌の横、歯ぐき、頬の内側などにできる
白板症は、それ自体はがんではありません。ただ、一部ががんに変化することがある状態として知られており、定期的な経過観察や、必要に応じた詳しい検査が大切です。
赤い・ただれた部分は、さらに注意
白いものだけでなく、赤くてビロードのような部分や、ただれたような部分が続く場合も、早めの受診が必要です。
口腔がんの初期は、口内炎に似ていることがある
口の中にできるがん(口腔がん)は、舌の側面に最も多くできるとされています。初期には、
- 口内炎のように見える
- 白い斑点や、赤い斑点に見える
- 痛みがないことも多い
ため、見過ごされることがあります。口腔がんは、がん全体の中では多いものではありません。それでも、早い段階で見つかるほど、治療の負担は小さく済むとされています。だからこそ「2週間」がひとつの目安になります。
様子を見てよいもの・受診したほうがよいもの
口の中で見つけた白いもの・できものの、おおよその目安です。
| 見た目 | 考えられるもの | 目安 |
|---|---|---|
| 頬の内側に、左右同じ高さで白い線 | 噛み合わせの跡 | 心配いらないことが多い |
| 舌の表面が全体に白っぽい | 舌苔(ぜったい) | 舌の清掃で落ちる |
| こすると取れる白い苔のようなもの、下が赤い | カンジダ(カビの一種)など | 続く場合は受診を |
| 丸く浅いくぼみ、まわりが赤く痛い | 口内炎(アフタ) | 1〜2週間で治るのが普通 |
| 入れ歯や欠けた歯が当たる場所の傷 | 刺激による傷 | 当たっている原因を取り除く |
| レース状・網目状の白い線 | 扁平苔癬(へんぺいたいせん)など | 受診して経過を見る |
| こすっても取れない白い斑点 | 白板症など | 痛くなくても受診を |
| 2週間以上治らない、硬い、出血しやすい、大きくなる | 詳しい検査が必要な状態 | 早めに受診を |
頬の白い線は、食いしばりのサインのことも
表のいちばん上の「頬の内側の白い線」は、噛み合わせの高さに沿ってできる跡で、多くは心配いりません。ただ、くっきりしている場合は、日中に歯を食いしばっているサインのこともあります(→上下の歯、今くっついていませんか?)。
入れ歯が当たる傷は、放っておかない
合わなくなった入れ歯や、欠けたままの歯が、同じ場所に当たり続けることがあります。長い期間、同じ場所に刺激が続くことは、口腔がんの危険因子のひとつとも考えられています。「慣れたから」「痛くないから」と放っておかず、調整にお越しください。
毎月1回、口の中を見る習慣
歯みがきのついでに、鏡で1分
口の中は、意識して見ないと、意外と見えていない場所です。月に1回、日にちを決めて、明るい場所で鏡を使って確認してみてください。
- 唇の裏(上下)を、指でめくって見る
- 歯ぐきを、表側と内側から見る
- 頬の内側を、左右とも見る
- 舌の表と裏を見る
- 舌の横を見る。ガーゼやティッシュで舌先を軽くつまみ、左右に引っぱると見やすくなります
- 舌の下と上あごを見る
見るポイントは、白い・赤い・ただれている・左右で違うの4つです。指で軽く触れて、硬いしこりがないかも確かめます。
気になったら、写真を撮っておく
何か見つけたら、スマートフォンで写真を撮っておくのがおすすめです。
- 2週間後にもう一度撮って、大きさや色を見比べる
- 受診のときに見せれば、いつからあるのかが伝わりやすい
「2週間」という目安を、記憶ではなく記録で確かめられます。
たばこ・お酒が多い方は、より丁寧に
喫煙と飲酒は、口腔がんの大きな危険因子とされています。両方が重なると、さらに危険性が高まると考えられています。思い当たる方は、セルフチェックに加えて、定期検診で粘膜も見てもらうようにしてください。
二宮町・はら歯科クリニックでの取り組み
当院の定期検診では、虫歯や歯ぐきだけでなく、舌・頬の内側・上あご・唇の裏などの粘膜も確認しています。ご自身では見えにくい舌の付け根や奥のほうは、歯科医院のほうが確認しやすい場所です。
あわせて、
- 合わなくなった入れ歯の調整
- 欠けたまま当たっている歯の修理
など、同じ場所に当たり続ける原因を取り除くこともできます。
詳しい検査が必要と考えられる場合は、連携する病院の口腔外科をご紹介しています。「これは様子を見ていいの?」というご相談だけでも構いません。気になるものの写真をお持ちいただくのも歓迎です。
二宮町・大磯町・平塚市からもご来院いただいています。
まとめ
- ふつうの口内炎は1〜2週間で治る。治らないものは、口内炎ではない可能性がある
- 注意したいのは、痛いものより痛くないもの・治らないもの
- こすっても取れない白い斑点(白板症など)は、痛くなくても受診を
- 赤い・ただれた部分が続く場合も早めに
- 頬の内側の白い線や舌の白さは、心配いらないことも多い
- 入れ歯や欠けた歯が同じ場所に当たり続ける状態は、放っておかない
- 月1回、鏡で口の中を見る。気になったら写真を撮り、2週間後に見比べる
「痛くないから大丈夫」ではなく、「2週間治らないから相談」へ。それが、口の中の小さな変化を早く見つけるいちばんの方法です。
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はら歯科クリニック(神奈川県中郡二宮町・二宮駅から徒歩2分)
予防歯科・義歯治療・ホワイトニング
診療時間:火〜金 9:00〜13:00/14:00〜17:00(最終受付16:30)、土 9:00〜15:00(最終受付14:30)※11月7日(土)からは 9:00〜14:00(最終受付13:30)
休診日:日・月・祝
ご注意(禁忌・留意事項)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の診断を行うものではありません。見た目だけで病気を判断することはできません。気になるものがある場合は、自己判断せずに受診してください。
※本記事の表は、受診の目安としてのおおよその分類です。同じように見えても、原因が異なる場合があります。
※2週間以上治らない口内炎やできもの、硬いしこり、出血しやすい部分、大きくなっていくものがある場合は、痛みがなくても早めに受診してください。
※口内炎が多発する、発熱や全身の発疹・目や陰部の症状を伴う、などの場合は、全身の病気が関わっていることがあります。医科の受診もご検討ください。
※市販の口内炎薬を使っても改善しない場合は、使用を続けずにご相談ください。ステロイドを含む薬は、カンジダなど一部の口内の病気を悪化させることがあります。
※セルフチェックで舌を引っぱるときは、強く引きすぎないでください。
※詳しい検査(組織の検査など)が必要と判断した場合は、連携する病院の口腔外科をご紹介します。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「口腔がん」
- 日本口腔腫瘍学会・日本口腔外科学会「口腔癌診療ガイドライン」
- 日本口腔外科学会「口腔外科で扱う主な病気」(一般の方向け解説)
- Warnakulasuriya S, et al. Oral potentially malignant disorders: A consensus report from an international seminar on nomenclature and classification, convened by the WHO Collaborating Centre for Oral Cancer. Oral Dis. 2021;27(8):1862-1880.
