歯をゴシゴシ磨くほど、黄色く見えることがあります|歯の色は「厚み」で決まる|二宮町の歯科医師が解説
「毎日しっかり磨いているのに、歯が黄色い」
「研磨剤入りの歯磨き粉に替えて、力を入れて磨いている」
「年齢とともに、だんだん黄ばんできた気がする」
——歯の色のご相談で、二宮町のはら歯科クリニックがよく伺うお話です。
黄ばみを「汚れ」だと考えると、強く磨けば落ちるはずだと思うのは自然です。ところが歯の黄色には、磨いて落ちるものと、磨いても落ちないものがあります。そして後者を磨いて落とそうとすると、かえって黄色く見えるようになることがあるのです。
今回は、歯の色がどう決まっているのかを知ることで、黄ばみとの正しい付き合い方をお伝えします。
歯の色は「内側の色が透けたもの」です
歯は2層でできている
歯の見える部分は、大きく2つの層でできています。
- エナメル質:いちばん外側の層。体の中で最も硬い組織で、半透明です
- 象牙質:エナメル質の内側にある層。もともと黄色みを帯びた色をしています
私たちが「歯の色」として見ているのは、半透明のエナメル質を通して、内側の象牙質の黄色が透けて見えている色です。
だから「厚み」で色が変わる
エナメル質は、厚いところでも2〜2.5mmほどしかありません。そしてこの厚みによって、見える色が変わります。
- エナメル質が厚い → 内側の黄色が透けにくく、白っぽく見える
- エナメル質が薄い → 内側の黄色が透けやすく、黄色っぽく見える
実際、同じ1本の歯でも、歯ぐきに近い根元のほうが黄色っぽく見えるのは、そこがもともとエナメル質の薄い部分だからです。
つまり、歯の白さを守っているのは、エナメル質の厚みだといえます。
強く磨くと、なぜ黄色く見えるのか
削れるのは、白さを守っている層
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
黄ばみを落とそうとして、
- 硬い歯ブラシで、強い力で磨く
- 研磨剤の多い歯磨き粉を、毎日たっぷり使う
- 気になる部分を、何度もこする
といったことを長く続けると、歯の表面が少しずつすり減っていくことがあります。
すり減るのは、白さを守っているエナメル質の側です。内側の黄色い象牙質が透けやすくなり、白くしようとして、かえって黄色く見えるようになる——これが「ゴシゴシ磨きの落とし穴」です。
特に削れやすい場面
次のような場面では、歯の表面がより削れやすくなります。
- 酸性の飲食物の直後:炭酸飲料・柑橘類・酢などで表面が一時的にやわらかくなっているところを強く磨く
- 歯ぐきが下がった部分:根元は象牙質が露出しやすく、エナメル質よりやわらかいため削れやすい
- 食いしばり・歯ぎしりがある方:噛み合う面がすり減り、さらに磨きすぎが重なる
食いしばりとすり減りの関係は、歯ぎしり・食いしばりの記事でも詳しく解説しています。
黄ばみには「表面の色」と「内側の色」があります
表面の色(着色汚れ・ステイン)
コーヒー・紅茶・緑茶・赤ワイン・カレー・タバコなどの色素が、歯の表面に付着したものです。
- 歯と歯の間や、歯ぐきとの境目に茶色く付きやすい
- 歯科医院のクリーニングで落とせることが多い
- 日々の歯磨きで「付きにくくする」ことはできるが、一度ついたものを強く磨いて落とそうとするのは逆効果になりやすい
内側の色(象牙質の色)
こちらは汚れではなく、歯そのものの色です。
- 歯全体が均一に黄色っぽい
- 生まれつきの色、または年齢とともに濃くなった色
- 磨いても、クリーニングをしても落ちません
年齢とともに歯が黄色く見えてくるのは、エナメル質が少しずつすり減って薄くなる一方で、内側の象牙質は厚く、色も濃くなっていくためです。これは自然な変化で、汚れているからではありません。
内側の色には、ホワイトニングが作用します
歯科医院のホワイトニングは、薬剤が歯の内部に作用して色素を分解するしくみです。表面を削るのではなく、内側の色そのものを明るくするため、磨いても落ちない黄ばみに対して働きます。
つまり、
- 表面の色 → クリーニング
- 内側の色 → ホワイトニング
と、原因によって正しい対処が違うということです。内側の色を歯ブラシで落とそうとするのは、落ちないうえに、白さを守る層を削ってしまうという二重の損になります。
あなたの黄ばみはどのタイプ?
鏡で、歯の色の「出方」を見てみてください。
| 見え方 | 考えられるタイプ | 合う対処 |
|---|---|---|
| 歯と歯の間や境目が茶色い | 表面の着色 | クリーニング |
| 歯全体が均一に黄色っぽい | 内側の色(象牙質) | ホワイトニング |
| 歯の根元だけが黄色い | エナメル質が薄い・歯ぐきが下がった | 原因の確認が必要 |
| 1本だけ暗い・灰色っぽい | 神経のトラブルや過去の治療 | 診察が必要 |
| 詰め物・被せ物だけ色が違う | 人工物の変色 | 交換を検討 |
複数が重なっていることも多いため、気になる場合は一度診せていただくのが確実です。
白さを守るための、毎日の習慣
1. 力ではなく、当て方で磨く
歯ブラシはやわらかめ〜ふつうを選び、鉛筆を持つように軽く握って磨きます。毛先がすぐに開いてしまう方は、力が強すぎるサインです。
2. 研磨剤の量を意識する
着色が気になる方向けの歯磨き粉には、研磨剤が多めに入っているものがあります。毎日・長期間・強い力で使うと、表面がすり減る原因になりえます。使う量はほどほどにし、気になる場合は低研磨・研磨剤無配合のものも選択肢です。市販のホワイトニング用歯磨き粉と歯科のホワイトニングの違いは、こちらの記事で解説しています。
3. 酸性の飲食物の後は、すぐにこすらない
炭酸飲料や柑橘類の後は、まず水で口をすすぐのがおすすめです。表面がやわらかくなっているときに強くこすらないことが、エナメル質を守ることにつながります。
4. 着色しやすいものは「だらだら」飲まない
コーヒーや紅茶を少しずつ長時間飲むと、色素が触れている時間が長くなります。飲んだ後に水を一口飲むだけでも、着色は付きにくくなります。
はら歯科クリニックのオフィスホワイトニング(自費診療)
内側の色が気になる方には、歯科医院でのホワイトニングという選択肢があります。当院の内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 診療区分 | 自費診療(保険適用外) |
| 費用(税込) | オフィスホワイトニング 16,500円/ホームホワイトニング 16,500円 |
| 効果の目安 | 1回で2〜3トーンの変化を感じる方が多い(個人差あり)。回数や方法はご希望に合わせてご提案します |
| 所要時間 | オフィスホワイトニングは1回あたり約1時間 |
| 主なリスク・副作用 | 一時的に歯がしみる(通常24〜48時間で治まる)/歯ぐきに薬剤が付くと一時的に白くなる/効果に個人差がある/人工の歯は白くならない/色戻りがあり定期的なメンテナンスが必要 |
| 受けられない方 | 妊娠中・授乳中の方、18歳未満の方、重度の知覚過敏がある方 |
施術の前には、黄ばみの原因がどのタイプかを確認したうえで、ホワイトニングが合うかどうかをご説明します。表面の着色が中心であればクリーニングを、詰め物の変色であれば交換をご提案することもあります。
二宮町・大磯町・平塚市からもご来院いただいています。
まとめ
- 歯の色は、半透明のエナメル質を通して内側の象牙質の黄色が透けた色
- エナメル質の厚みが、白さを守っている
- 強く磨く・研磨剤を使いすぎると、白さを守る層が削れてかえって黄色く見えることがある
- 黄ばみには表面の色(クリーニング)と内側の色(ホワイトニング)がある
- 年齢による黄ばみは、汚れではなく自然な変化。ホワイトニングが作用する
- 毎日の習慣は「力ではなく当て方」「研磨剤はほどほど」「酸の後はすぐこすらない」
白くしたいなら、まず削らないこと。それが、白さを長く保ついちばんの近道です。
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はら歯科クリニック(神奈川県中郡二宮町・二宮駅から徒歩2分)
予防歯科・義歯治療・ホワイトニング
診療時間:火〜金 9:00〜13:00/14:00〜17:00(最終受付16:30)、土 9:00〜15:00(最終受付14:30)
休診日:日・月・祝
ご注意(禁忌・留意事項)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療を推奨するものではありません。
※ホワイトニングは自費診療(保険適用外)です。効果には個人差があり、ご希望の白さにならない場合があります。
※ホワイトニングでは、一時的に歯がしみる、歯ぐきが一時的に白くなるなどの症状が出ることがあります。人工の歯(詰め物・被せ物・差し歯)は白くなりません。色戻りがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。
※妊娠中・授乳中の方、18歳未満の方、重度の知覚過敏がある方はホワイトニングを受けられません。施術前のカウンセリングで、お口の状態を確認して判断いたします。
※神経を失った歯の変色や、薬剤・体質による変色は、ホワイトニングで改善しにくい場合があります。
※研磨剤による歯のすり減りの程度は、使用量・磨く力・歯の状態によって異なります。歯磨き粉の使用をやめる必要はありません。フッ化物配合の歯磨き粉は虫歯予防のために引き続きお使いください。
※1本だけ色が暗い・灰色に見える場合は、神経のトラブルなどの可能性があります。早めにご相談ください。
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の着色」「酸蝕症」
- 日本歯科審美学会「ホワイトニングに関する見解」
- 日本歯科保存学会「う蝕治療ガイドライン」
- 日本口腔衛生学会「フッ化物応用に関する見解」
