歯ぎしり・食いしばりとは
主に3つのタイプがある
歯ぎしり・食いしばりは医学的に「ブラキシズム」と呼ばれ、以下の3タイプに分類されます。
- グラインディング:上下の歯を擦り合わせる、いわゆる「ギリギリ」と音がする歯ぎしり
- クレンチング:強く噛みしめる食いしばり。音が出ないため気づきにくい
- タッピング:上下の歯をカチカチと小刻みに打ちつける動き
睡眠中に起こることが多いですが、日中の覚醒時にも無意識に行っている方が多くいます。
噛む力は想像以上に強い
通常の食事中の噛む力は10〜30kg程度ですが、歯ぎしり・食いしばり時には体重と同じかそれ以上、人によっては80〜100kgもの力がかかると言われています。これが毎晩、何時間も続くため、歯や顎へのダメージは蓄積していきます。
なぜ歯ぎしり・食いしばりが起こるのか
ストレスが大きな要因
最も多い原因がストレスです。仕事や人間関係、生活環境の変化などによる精神的緊張は、無意識のうちに筋肉の緊張として現れます。睡眠中はストレスを発散しようと脳が働き、その結果として歯ぎしりが生じると考えられています。
噛み合わせの問題
歯並びの乱れや、歯の高さが合わない補綴物(被せ物・詰め物)があると、噛み合わせのバランスが崩れます。脳は無意識に「より噛みやすい位置」を探そうとして、歯ぎしりを引き起こすことがあります。
生活習慣
カフェイン・アルコール・喫煙は睡眠の質を低下させ、歯ぎしりを誘発しやすくします。また、ゲームやスマートフォンの長時間使用、PCに集中する作業中の食いしばりも増えています。
その他の要因
- 顎関節症
- 逆流性食道炎
- 一部の薬剤の副作用
- 小児期の成長過程(一時的なもの)
こんな症状があったら要注意
歯への影響
- 歯がすり減って平らになっている
- 歯にヒビが入っている、欠けている
- 詰め物・被せ物が頻繁に外れる
- 知覚過敏(冷たいものがしみる)
- 歯の根元が削れている(くさび状欠損)
顎・筋肉への影響
- 朝起きたとき顎が疲れている、痛い
- 口が大きく開けにくい
- 顎を動かすと音が鳴る(顎関節症)
- エラ(咬筋)が張って顔が四角く見える
全身への影響
- 朝起きたときの頭痛・肩こり
- 耳鳴り・めまい
- 睡眠の質の低下
- 慢性的な疲労感
これらの症状に複数当てはまる場合、歯ぎしり・食いしばりが関係している可能性があります。
「放置するとどうなるの?」よくある疑問
Q:歯ぎしりは自然に治るの?
ストレス源が一時的なものであれば改善することもありますが、習慣化している場合は自然治癒は期待しにくいです。放置すると以下のリスクがあります。
- 歯の破折・抜歯につながる
- 歯周病の悪化
- インプラントの破損リスク増
- 顎関節症の慢性化
Q:マウスピース(ナイトガード)は効果ある?
歯と顎を保護する目的としては有効です。マウスピースで歯ぎしりそのものを止めることはできませんが、歯のすり減りや破折を防ぎ、顎関節への負担を軽減できます。保険適用で作製可能です(詳しくは医院にご相談ください)。
Q:マウスピースのデメリットは?
- 装着時の違和感(数日〜数週間で慣れる方が多い)
- 唾液量が一時的に増えることがある
- 定期的な交換が必要(劣化するため)
- 自費の硬質タイプは費用が高め
Q:ボトックス治療は?
エラの咬筋にボトックスを注射して筋力を弱める治療法もあります。当院では行っていませんが、選択肢として認識しておくとよいでしょう。費用は1回30,000〜80,000円程度で、効果は3〜6ヶ月持続するのが一般的です。
歯ぎしり・食いしばりの対策
1. マウスピース(ナイトガード)の作製
最も一般的な対策です。歯科医院で歯型を取って作製するオーダーメイドのマウスピースは、市販品より装着感が良く、効果も高い傾向にあります。
- 保険適用(ソフトタイプ):約3,000〜5,000円
- 自費(ハードタイプ):約15,000〜30,000円
- 通常2〜3年で交換
2. ストレスマネジメント
根本原因への対処として重要です:
- 寝る前のスマートフォン使用を控える
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
- 軽い運動・ストレッチの習慣化
- 深呼吸・瞑想・マインドフルネス
3. 日中の意識づけ
「歯と歯は触れ合わせない」が基本です。リラックスしている時、上下の歯は本来2〜3mm離れているのが正常です。
- パソコン作業中に「歯を離す」と書いた付箋を貼る
- 1時間に1回、口元の力を抜く意識を持つ
- スマートフォンのアラームでリマインドする
4. 食生活の見直し
- 寝る前のカフェイン・アルコールを控える
- ガムを噛みすぎない(咬筋の発達を促してしまう)
- 硬いものを過剰に食べない
5. 噛み合わせの調整
噛み合わせが原因の場合、歯科医院で咬合調整を行うことで改善することがあります。被せ物の高さ調整や、矯正治療が選択肢になることもあります。
はら歯科クリニックでの対応
神奈川県二宮町のはら歯科クリニックでは、歯ぎしり・食いしばりが疑われる方に対して、まず口腔内のチェックから始めます。歯のすり減り・破折・骨隆起(骨の盛り上がり)など、客観的な所見を確認した上で、患者さんの生活背景もお伺いします。
その上で、保険適用のナイトガード作製や、生活習慣のアドバイスをご提案しています。「最近あごが疲れる」「家族に歯ぎしりを指摘された」という段階での早めのご相談がおすすめです。
ご自身の歯ぎしりの有無を客観的に確認したい方は、初診時にお気軽にお声がけください。
まとめ
- 歯ぎしり・食いしばりは無意識のうちに歯と顎に大きな負担をかけている
- 主な原因はストレス・噛み合わせ・生活習慣
- 朝の顎の疲れ・歯のすり減り・頭痛などが主なサイン
- マウスピースは歯の保護に有効(保険適用あり)
- ストレスマネジメントと日中の意識づけも効果的
「自分は歯ぎしりなんてしていないはず」という方ほど、歯科検診で初めて発覚するケースが多いです。二宮町のはら歯科クリニックで、お口の健康を守るチェックを受けてみませんか。
